ポップアートの裏にあるものとは?
フェスが終わってから会場を出た後は余韻が付き物。
気になったアーティストのことを後から調べたこと、ありますよね?
音楽・キャンプにアートを付け足して濃厚な体験を味わおう!
八ヶ岳の山間に、ひときわ目を引くオシャレな建物群を発見。
こちらはホテル、ゴルフ場、美術館などが入った複合リゾート施設「小淵沢アート&ウエルネス」
私たちはその中でも世界で唯一の「キース・ヘリング」の作品のみを収蔵する中村キース・ヘリング美術館へ行くことにしました。
(宿泊施設のロッジ・キースプリング八ヶ岳は、また別の記事でご紹介します!)
これらのコレクションは、山梨県出身の実業家である中村和男氏の集めた約300点からなり展示空間は建築家、北川原温氏の設計により「光と影」が表現されています。
1990年に31歳という若さでこの世を去ったキース・ヘリングの作品を多数展示するこちらで学芸員の田中さんからお話を伺いました。
1958年、アメリカで生まれたキース・ヘリングは80年代初頭にニューヨークの地下鉄で黒い紙が貼られた使用されていない広告板を使った通称「サブウェイドローイング」というグラフィティ・アートを始めました。
コミカルで誰もが楽しめる落書きは、地下鉄の通勤客の間で評判になり一躍ヘリングの名を広めることになりました。(教科書みたいですね)
美術館だけでなく、街中に溶け込むアート。つまりストリートアートが注目されたのもキース・ヘリングの功績が大きかったと言います。
キース・ヘリングはパーティ好きで、アート制作をしながらニューヨークのクラブカルチャーに没頭していました。当時熱狂的な盛り上がりを見せていたクラブ「パラダイス・ガレージ」に通い始めます。
客層は黒人やヒスパニック系が9割を占めるという独特なクラブで、DJの神様と呼ばれたラリー・レヴァンも演奏をしていました。
ヘリングは毎週土曜日にこの異国的な空間に通い詰めたといいます。
音楽とアートは密接な関係にあることを証明されたエピソードですね!
”崇高なものだけがアート作品ではない”という考え方を持ったキース・ヘリングは誰でも立ち寄れるPOPSHOP(ポップショップ)というお店をオープンします。
こちらではアート作品はもちろん、自身でデザインしたTシャツや缶バッヂ、小型ラジオなども(中村キース・ヘリング美術館でも色んなアイテムを販売していますよ!)
館長の中村さんが特に気に入っている作品がこちらです、と田中さんが教えてくれたのは落書きを施したオフロードバイク。頼まれれば色々なものにサインや落書きをしてくれたそうです。
同性愛者であったキース・ヘリングは当時猛威を振るっていたエイズの予防啓発運動に積極的に参加します。
同性愛者が社会から疎外されることなく暮らしていける偏見のない社会を強く願うメッセージも作品には多く込められていました。
没後、作品の価値がどんどん高騰していくキース・ヘリングのアート作品。
是非フェスの参加前、または参加後に楽しんでみてはいかがでしょうか?
All Keith Haring Artwork © Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection.